東京ドクターズ  |  病院・クリニック・歯医者・動物病院の検索サイト

清水 敬生 院長

TAKAO SHIMIZU

根治不能な患者さんに希望を与える「ガイドラインを超える治療」とは。

大阪大学医学部大学院卒業後、癌研究会付属大塚病院や国際医療福祉大学三田病院で婦人科進行癌の治療に20年以上取り組む。2009年に広尾駅すぐ傍に、自身のクリニックを開業。

清水 敬生 院長

清水 敬生 院長

ウイメンズクリニック南麻布

港区/南麻布/広尾駅

  • ●婦人科

進行癌から患者さんを救う「ガイドラインを超えた医療」。

清水 敬生 院長

幼い頃から人と違うことをするのが好きな子で、小中学校の先生に大分ご迷惑をおかけしました。何かを解決する時、人とは違う方法を見出していく。良くも悪くも私の小さい時からの特徴であったようです。その精神は医師になってからも変わりませんでした。ガイドラインをご存じでしょうか?これはあくまでもminimal requirementであって必ずしもbest managementではありません。これだけやっていれば何かトラブルが生じても問題にはならない(医療訴訟になっても負けない)という医師を守る規約になっているという見方もできます。婦人科癌治療に於いてガイドラインに従うと、3,4期の進行癌を完治させることはほぼ不可能です。私は癌研究会付属大塚病院および国際医療福祉大学三田病院で婦人科進行癌の治療に20年以上取り組んできました。通常進行癌を治療する時は、先に手術をして、その後に抗がん剤治療を行います。しかしこの方法では3,4期の進行癌を治すことはできません。これに対し私は先に抗がん剤治療をして、転移癌を消して、原発巣を小さくすることにより3,4期癌を1,2期以下にして、その後に拡大手術を行い、根治不能と診断された3,4期の患者さんを少なからず助けてまいりました。これはガイドラインから外れる治療です。ガイドラインを無視するのではなく、それを超える治療であると考えております。
 ガイドラインを超える治療例として、これまで私のグループで行ってきたことは、1) 子宮頚部円錐切除の日帰り手術、2) 頚癌IB1-2期(腺癌も2例含まれる)に対する抗癌剤治療の後、円錐切除で子宮温存し、妊娠出産まで可能にした事、3) 子宮体癌と誤診される事の多い子宮筋腫の一種であるAPAM (atypical polypoid adenomyoma)を癌研時代 (1997年)に初めて病理診断(癌研病院の病理部門の診断は子宮内膜癌G2)し、子宮温存、妊娠出産に成功し、その後38例を子宮温存出来ていること、4) 子宮内膜癌 (子宮体癌) のホルモン療法 (子宮温存): 以前日本の学会や研究会で年齢制限(42歳まで)があったが、当時から年齢ではなく女性ホルモン値 (LH, FSH, E2測定)に基づいて、子宮内膜癌に対しホルモン療法を実施継続し、なるべく子宮摘出しない方針で管理している。5) 卵巣癌IA期に対して妊娠する能力を温存する治療を施行、 6) 卵巣癌のなかでも予後不良といわれている明細胞癌IC期例で、子宮温存し、妊娠出産に成功した事、7) 卵巣子宮内膜症(米国ではチョコレート嚢胞) 5cm以上でも (10 cm以下まで) 90%以上の患者さんにおいて、注射(Gn-RH agonist)と低用量ピルによる治療のみ (手術なし)で寛解(いわゆる治った状態に)させていること、8) 子宮筋腫も同様になるべく手術しない方法で管理している事、などがあります。患者さんの要求レベルは年々高くなっており、ガイドライン治療のみでは対応しきれません。患者さんがガイドラインを超える要望を医師に求め、それに答える新たな治療を開拓することにより、ガイドラインが書きかえられることにもつながっていると考えております。従って、患者さんは遠慮せず、非常識なくらい高い要求をしてもよいと思っております。医師はそのかじとりをし、さらに勉強をして新たな治療の開発に努め、その結果医療が進歩していくと考えております。

婦人科で最も難しい子宮頚部円錐切除数はが日本最多。

清水 敬生 院長

当院の特徴でもあります「円錐切除の日帰り手術」は、私自身は1997年に始めましたが、日本ではスタンダード(ガイドライン治療)にはなっておりません。因みに海外では殆どの国で日帰りです。当院では、日帰り円錐切除を毎週5例行っています(2014年:262例)。患者さんの多くは妊娠を希望されており、切除による早産のリスクを心配されます。大きく切り過ぎないで欲しい。しかしながら悪い所(CIN III)はちゃんと取り除いて欲しい。即ち、「ちゃんととって下さいね、でも取り過ぎないで」という手術です。子宮の手前側の切除範囲は術前に確認できますが、切除幅、及び頚管(頭側)の切除範囲はわからないまま切除しなければなりません。進行癌の様に徹底的に切除する(取る)のと違い、残す手術ですから、婦人科で最も難しい手術であると思っております。相当な経験と病理の知識(自分で標本を見れる能力)が必要です。当院では、1) HPVの型(31種類検索)、2) 異形成の質(軽度、中度、高度)、3) 異形成の量(コルポスコピーで見える異形成の範囲)の3つの要素を考慮して円錐切除の必要性を十分検討した上で、円錐切除しております。異形成を有する患者さんに対しては、組織診を治療的に行い(数多く、深く採取)、なるべく円錐切除を回避できるよう努力しています。 ささやかではありますが、この場所から世界基準の治療[office gynecology]を展開させて頂ければと思っております。

一人一人に最適な最高の医療サービスを提供。

清水 敬生 院長

当院では、関東に限定されず、国内全域、および海外からも患者さんが来院されます。患者さんを自分のファミリーと思って接するよう心がけています。患者さんの病名は同じであっても、細かい点で全員異なっています。即ち、個別化しないと最善の治療はできません。当院を選んで下さった患者さんに対して、通常のガイドラインを超えた、現時点で考えられる最高の医療サービス(診断と治療、さらに予防)を提供できるよう心掛けています。

世界レベルの情報は英語で駆け巡っている。

婦人科の癌には、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がんがあります。このうち、子宮頸がんはHPV vaccine (子宮頚癌ワクチンという表現は正しくありません)によって7割が予防でき、専門家による健診を受けていれば、まず心配ありません。そして、子宮内膜がん、卵巣がんについては低用量ピルで予防可能です。ピルは1960年に安全性、有効性が米国FDA(食品医療品局)で承認され、1980年代には、ピル服用で卵巣癌、内膜癌の予防が可能であることが科学的に実証され、欧米、豪州、アジアではシンガポール、タイなどの英語圏で普及してきました。日本では未だにピルが普及していません。いったいなぜなのでしょうか。英語が日常で使用されないことが影響しています。世界の情報は英語で駆け巡っています。日本人の99%以上は日本語で生活し、日本語でIntranet (intra-Japanese network)を使用し、internet(Inter country network)を活用していません。日本語で生活している上での危険性は2つあります。一つは世界の最先端の情報を得られないこと、さらに日本語で書かれた文章は世界の殆どの人に見られない、即ち検証されないので、内容が間違っていてもそのままになっていること、です。患者さんがしばしば「―――と書いてあった」と言われますが、海外の人に検証されていない間違った内容をうのみにしていることは少なくありません。医療に限らず、英語で”internet”を活用すれば新しい、より正確な情報を入手可能です。一度しかない人生をより充実したものにするために、英語で真の”internet”を活用するよう心掛けて頂きたいものです。

これから受診される患者さんへ。

最高の医療サービスを提供するための前提は、医療スタッフと患者さんとのcommunicationです。日本語は曖昧で、日本語でのcommunicationは大変危険です。最初信頼関係があるかにみえて、「言った、言わない、そういうつもりで言ったのではない」等と、後になってもめごとが起こるのが日本語でのcommunicationの特徴の一つです。生命にかかわることですから、クリニックでは、患者さんは心を開いてsimpleに本音で会話しましょう。また私からも宿題を出しますので十分勉強して頂きたいです。患者さんが勉強し熱意を示すと、医師はさらに良い医療サービス(ガイドラインにとらわれず)で答えてくれるものです。安心、納得して診療が継続できるように医療スタッフと良いキャッチボールをしましょう。(東京メトロ日比谷線・広尾駅から徒歩20秒)。

※上記記事は2015.5に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

清水 敬生 院長 MEMO

  • 出身地:広島県
  • 趣味・特技:サッカー、マルセイユ・ルーレット
  • 好きな本もしくは愛読書:医学関連書籍
  • 座右の銘もしくは好きな言葉:無理を無理としない
  • 好きな音楽もしくは好きなアーティスト:ミック・ジャガー、ロベルト・バッジョ、アンディ・ウォーホル
  • 好きな場所もしくは好きな観光地:浅瀬の川

グラフで見る『清水 敬生 院長』のタイプ

エネルギッシュで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

エネルギッシュで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

CLINIC INFORMATION